欧州で、歴代3代目となる新型が発表されたマツダ CX-5ですが、日本国内では現行型の2代目CX-5の販売がまだしばらく続きます。 2017年から国内販売が開始され、いまや熟成の域に達している2代目CX-5。 その進化を振り返りながら、2024年末に追加された新グレード「20S Black Selection(ブラックセレクション)」を徹底解説します。
発売から8年、いまや熟成の域に達した2代目CX-5

現行型の2代目マツダ CX-5(KF系)は、2016年11月に発表。翌2017年2月に発売されました。 デビュー直後のラインナップは、2.0L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.0)の「20S」、2.5L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5)の「25S」、2.2L直列4気筒ディーゼルターボ(SKYACTIV-D 2.2)の「XD」という構成。 エンジンは、いずれも先代からのキャリーオーバーですが、2代目の進化に合わせてさまざまな改良が加えられています。 また車体には、新世代車両運動制御技術「スカイアクティブビークルダイナミクス」のひとつであるGベクタリングコントロール(GVC)を装備して、走行性能はもちろん運転の楽しさや安心感を向上させました。

翌年の2018年2月の改良では、2.0Lと2.5Lのガソリンエンジンが、低抵抗ピストンや排気ポートの形状見直し、冷却水の流量制御、インジェクターの改良などにより、燃費やトルク、環境性能、静粛性などを改善。2.5Lエンジンには、気筒休止システムも採用されました。 いっぽう2.2Lディーゼルターボエンジンは、急速多段燃焼技術や可変ジオメトリーターボチャージャーなどの採用によって、最高出力、最大トルクを向上しています。 その他、車体関係では自車位置演算ユニット搭載によるマツダコネクトの機能進化、車速感応式オートドアロック、360°ビューモニター(セットオプション)などが盛り込まれました。 同じ年の11月には、2.5L直噴ガソリンターボ(SKYACTIV-G 2.5T)の「25T」を追加するとともに、2.2Lディーゼルターボに6速MT車を設定。 G-ベクタリング コントロールは、ブレーキによる車両姿勢安定化制御(直接ヨーモーメント制御)を追加した「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」に進化。「XD」と「25T」に、特別仕様車「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」が追加されました。 2019年12月は、AWD車にAWDとトラクションコントロール(TCS)の協調制御によって、さまざまな路面環境において高い走行性能を実現する「オフロード・トラクション・アシスト」を採用。 2020年12月の改良では、2.2Lディーゼルターボエンジンの出力をアップするとともに、アクセルペダルの操作力を最適化することで、加減速のコントロール性が向上。また6速AT(SKYACTIV-G 2.5Tを除く)は制御技術をアップデートすることで、アクセル操作に対する応答性が向上しています。 室内は、センターディスプレイを10.25インチサイズに拡大(25S/XDは8.8インチ)。車載通信機を標準設定し、コネクティッドサービスとスマートフォンアプリ「MyMazda(マイマツダ)」との連携により利便性を向上しました。