日本は約2割下がっていますが、これは主に東アジアで、世界的なレベルで技術力を競える企業が増えたからであって、むしろ2位以下との格差は大きく広がっています。

とくに惨めなのがアメリカで、チャラチャラした自己宣伝は得意でも、2014年段階に比べて、トップ100社に残っている企業数はほぼ半減です。生成AIとか、再生可能エネルギー発電とかEVとか、不毛な分野ばかりに注力しているから、当然の報いだと思います。

7. デジタル貿易の赤字5.5兆円?

まさに企業にとっても国家にとても得意不得意があるのは当然ですが、私は日本がITやデジタルに弱いのは、ほんとうに幸運だったと思っています。悪銭身に付かずで、IT、デジタル分野の大企業はどんなに時価総額が莫大になってもいつかコケると確信しています。

それ以上に、オフィス用アプリの抱き合わせ販売という明白な独占禁止法違反で巨万の富を稼いでいるマイクロソフトや、だれかがどこかでiフォンに入っているアプリを使うだけで自動的に不労所得を課金しているアップルのようなうっとうしい企業がでかいツラをしている国には住みたくないのです。

エヌヴィディアやオープンAIやテスラのようなイカサマ企業に至っては論外ですが。

私が注目したいのは、日本がこれからの乱世を生き抜くのに最適な貿易構造を持っていることです。まず、この先半年から1年で崩壊する可能性が高いアメリカが実際に高転びに転げ落ちたとき、日本の直接的被害はどの位だとお考えでしょうか。

そうとう深刻とお考えの方が多いでしょうが、間違いなく先進諸国でもっとも軽微です。

「いや、直接的にはそうでも日本から輸入した部品や中間財、資本財を使ってアメリカに輸出している国からの間接被害はあるだろう」とお考えでしょうか。それは中国だって、EUだって似たようなものです。

中国経済が突然消え失せたらどうでしょうか? 輸出と輸入をネットすると、測ったようにほぼ一致するのです。つまり、今まで中国に輸出していた分を国内消費に回せば、ほぼ影響なくやり過ごせます。