このシミュレーション関係の英文から、シミュレーションに大きく依存した50年後や100年後二酸化炭素濃度の予測値などは、入力データ次第で変動するし、そのデータ分析も科学的合理性があるとは限らないという自分なりの結論に到達した。

望ましい未来像とはいえないシナリオ

2万もの指標を使ってシミュレートした結果、7通りの分岐構造を示した図1では好ましいシナリオが2種類得られたが、残りの5つは「望ましい未来像とはいえない」(政策提言グローバル版)シナリオと判断された。

確かに

シナリオ4:ウェルビーイング・環境配慮不足シナリオ シナリオ3および5:気候・紛争ダブル危機シナリオ シナリオ6:経済成長至上シナリオ シナリオ7:二極化シナリオ

などは、望ましくないであろう。

好ましいシナリオは2種類

一方で、政策提言グローバル版で高い評価がなされたシナリオは、

シナリオ1:地域分散・成熟シナリオ シナリオ2:グリーン成長・協調シナリオ

であった。

まずシナリオ2については、「経済・環境面での比較的良好なパフォーマンスの反面、先進国内の格差や国際紛争などの課題が残る社会像」であるから、「国際的な協力行動が特に重要な鍵となる」としている。

もう一つのシナリオ1では、「経済の成熟化を是認した上で、地球上の各地域が分散しつつ一定の自律的均衡や環境保全そして平和と安寧を実現していくような姿」が予想された。それはローカルな地域レベルでの経済循環や持続可能性を重視しつつ、ナショナル、グローバルへと積み上げていく未来像である。私もこのような動向に「ローバル時代」や「ローバリゼーション」と命名して、注目してきた。

ローバル時代(The Lobal Stage)

ここでいう「ローバル時代」とは、周知の、

glocal = global + local 【Think Globally, Act Locally.】

にヒントを得て、私が