私見ではネット戦略云々以前に、ネット「商材」としての価値、すなわちバズるだけの「迫力」が、主演する人物にあるのが大きいと考える。勢いを持って、分かりやすい言葉で、必死に国民に訴えかける「迫力」ある人材があってこそ、ネット上でバズるわけである。順番を間違えてはいけない。
SNSというものがまずあって、戦略上必要なので、何かを仕方なく訴えるのではない。訴えたい何か、それを伝えたいと強く思う人物がいて、ツールとしてのSNSを活用するわけである。その中身と訴える人物が無ければSNS戦略も何もあったものではない。
戦略というのは、戦う人や武器があって初めて考えられるものである。如何に偉大な戦略家であろうとも、人材と武器無しには戦えない。幾多の戦争、命がけの戦いを経験してきたナポレオンやアレクサンダー大王が残したとされる有名な言葉に、「1頭の獅子が率いる100頭の羊の群れは、1頭の羊が率いる100頭の獅子の群れよりも強い」というものがある。
今の自民党と野党を比べた時に感じるのは、確かに自民党には、獅子とも言える優秀な良い若手が沢山いる。それに引き換え、国民民主党や参政党には、そうした人材は少ない。党首たちもそのことを自覚しているし、また、国民もそれが分かっているので、各種世論調査を見ても、政権交代までは望んでいない。
ただ、国民民主党や参政党が、まさに1頭の獅子に率いられる羊の群れであるのに対して、自民党は、1頭の羊に率いられる100頭の獅子の群れになってはいまいか。野党が政権を担う能力に欠けているのをいいことに「まだマシだ」という状態に甘んじていて良いのだろうか。「総括」をして、「戦略的」に取り組もうとも、迫力ある人材もいなければ、武器としての確固たる改革案も見当たらなければ、それは「総括」にはならないのではないか。
「迫力」を産むためには
改めて書くまでもないが、迫力というものは付け焼刃では出てこない。声が大きければ良いというものでもない。信念から来る強い主義主張がなければ生み出せない代物だ。トランプ氏があそこまでSNSの活用などをうまくやったのは、まず根底に、信念から来る強い主義主張があるからだ。