玉村:逆に、働いていて「好きだ」「楽しい」と思ったのはどんな時ですか?
尾崎:やはり「男の子精神」というか、「これをやってのけたらみんなびっくりするな」というような気持ちがあります。例えば、幼い息子に虫を捕まえて見せびらかしたら驚くだろうな、という感覚にも似ていて、そういう時に楽しさを感じますね。
ただ、私にとって仕事の位置づけは「目的」ではなく、あくまで「手段」です。自分の人生設計を実現するための手段として、今の仕事を通じて着実にステップアップや成長を実感できた時に、「よし、しめしめ」と、働くことが好きだと感じますね。
特に識学社員として働いていると、お客様の業績が大きく変わったり、かけていただいたコスト以上に利益が残ったりして、「ありがとう」と言われる時が嬉しいです。実際に識学サービスを導入するとそれなりの費用がかかりますが、売上は変わっていないのに利益が増えたというケースもあります。そういう時は、本当の意味でいい仕事をしたなと感じ、家に帰って美味しいお酒を飲みたくなります。
「やらされている感」を乗り越えるには?仕事を人生の「手段」と位置づける
玉村:以前、自動車部品メーカーにいらっしゃった頃は楽しかったですか?
山本:当時は「やらされている感」がかなりありましたね。もともと学校の先生になるのが目的で、社会経験を積みたくて一旦会社に入社したんです。入社したら自分の目的はそこで一つ達成してしまったような感じで、20代前半の頃は「なんでこんなことをやらないといけないのか」とよく思っていました。
玉村:その経験も踏まえ、今まさに「仕事に行きたくない」と感じている方にアドバイスはありますか?
尾崎:気持ちが滅入っている時に「頑張れ」とは言えませんが、一つ視点を変えるきっかけとしてお伝えしたいことがあります。それは、かつての私のように仕事そのものが「目的」になってしまっていないか、ということです。もしお金を稼ぐことだけが目的だと、人はより楽な方へと流れてしまいます。