告知が遅れたけど、先月18日の『朝日新聞』1~2面の特集「米国という振り子」にコメントした。Zoomで取材してくれたのは、滞米中の青山直篤記者で、以前紹介した同氏の『デモクラシーの現在地』は、トランプを理解する必読書である。

コメントの中身はリンクと一緒に、最後に上げるけど、日米関係史をふり返る企画なので、『江藤淳と加藤典洋』の著者としてお声がかかった形である。まぁ、彼らの後を継ぐ正嫡だしね(笑)。

……それはともかく、よい機会なので補うと、加藤典洋の『敗戦後論』(主たる論考は1995年)をめぐる最大の誤読は、江藤淳との関係にある。

一般には、拙著でも書いたけど、

それが他者(占領軍)の手で書かれた事実を直視せよと唱える『敗戦後論』の論旨が、江藤的な「押しつけ憲法」への糾弾を連想させたのは事実で、柄谷〔行人〕の参謀役だった浅田彰は「ほとんど江藤淳が『一九四六年憲法――その拘束』(文春文庫)なんかで執拗に論じてきたことのたんなる回りくどい言い換え」にすぎないと、強い言葉で加藤にやり返している。