VILPAの最大のメリットは、わざわざ運動のための時間を特別に作らなくても、日常生活の中に自然と組み込みやすいことです。

忙しい人や運動が苦手な人でも、日々のちょっとした工夫で簡単に取り入れることができるため、無理なく続けやすいというわけです。

そこで今回の研究では、このVILPAが本当に健康にメリットがあるのかどうかを、普段まったく運動をしていない米国成人を対象に調べることにしました。

具体的には、「1分未満という短い時間の激しい身体活動(VILPA)が、長期的に見た死亡リスクを下げることと関連があるかどうか」を明らかにしようと試みたのです。

1日たった1分で寿命が変わる

1日たった1分で寿命が変わる
1日たった1分で寿命が変わる / Aは1日のVILPAの「回数」と死亡リスク:このグラフの特徴は、最初にVILPAの回数が増えると死亡リスクが急激に下がり(グラフがストンと下がる)、ある程度(8回/日くらい)になると、その後は緩やかにしか下がらなくなる「L字型」の曲線になっています。Bは1日のVILPAの「合計時間」と死亡リスク:このグラフは、回数の時よりも滑らかで、最初の1分程度(中央値1.1分)まで急激に死亡リスクが下がり(HR0.61、約39%低下)、2分くらいで効果の頭打ちに近づきます。つまり、「1日1分ちょっと」の全力運動でも十分大きな効果があり、それ以上たくさんやっても、下がり幅は小さくなるのです。Credit:Vigorous intermittent lifestyle physical activity (VILPA) and mortality risk among US adults: a wearables-based national cohort study

健康のために運動が良いことは多くの人が知っていますが、実際にどれくらいの運動をすれば、どの程度健康効果があるのかを調べるためには、正確なデータを取る必要があります。