上の図ではゲーム頻度に対する遺伝子と環境の影響度を視覚化したものとなります。

少年では年齢が上がると遺伝子の影響が増え、環境の影響が減ります。

一方少女の場合、年齢による遺伝子の影響はほぼ同じであり、より環境から大きな影響を受けることが示されました。

具体的には、9歳から15歳までの少年では遺伝的寄与が31.3%から62.5%とほぼ2倍に上昇しました。

逆に環境の影響は年齢とともに大きく減少していきました。

遺伝子がゲーム頻度に影響するという結果は、ゲーム好きになる「ゲーマー遺伝子」が存在しており、少年では大きな影響を発揮していることを示しています。

同様の研究結果は知能などでも観察されており、知能の遺伝的寄与は幼児期では20%に過ぎませんが、成人では80%に増加することが知られています。

この結果は、年齢を重ねるにつれて人間はより遺伝子に忠実な存在になっていくことを示しています。

しかし、女の子の場合、ゲーム行動に対する遺伝的影響は、19.4% から 23.4% の範囲で、年齢を問わず比較的安定しており、環境因子の与える影響が9歳で70.5%、15歳で61.8%、18歳で60.5%と大きくなっていました。

どうやらゲーム頻度を高める「ゲーマー遺伝子」を持っていても、少女ではゲーム頻度にあまり影響を与えていないようです。

簡単にまとめれば、少年がゲーム好きになるのは主に遺伝子のせい、少女がゲーム好きになるのは主に環境のせいと言えるでしょう。

研究者たちも「女の子と男の子の大きな違いには少し驚きました」と述べています。

(※少女では、ゲーム頻度の遺伝子の影響は20%前後と少年より低くなっていますが、決して低すぎる値ではありません。スウェーデンのような男女格差が最も少ない国での研究という点でも重要でしょう)

このような男女差のある結果は、ギャンブルにおいてもみられます。

これまでの研究で「問題のないギャンブル」でも遺伝子の影響は男性で47%、女性で28%となっており、さらに男性ではギャンブル好きになるかは、ほぼ環境とは関係ないことが示されています。