その結果、面白いことが分かりました。
まず、BDSM的な空想をすること自体は、愛着スタイルとの関連性がほとんど見られませんでした。
つまり、誰でもBDSM的な状況を想像することはありますが、それが特定の愛着スタイルに限ったことではなく、ごく普通に起こることだということです。
ただし、服従する側の空想だけは少し違っていて、「愛着不安」がやや高い人ほど、その空想をする頻度が少し高かったことも分かりました。
一方、実際にBDSMをパートナーと体験する「実践」については、明確な傾向が現れました。
愛着の不安や回避が低く、安定している人ほど、実際にBDSMを体験した回数が多かったのです。
特に、他人との親密さを避けたり、心を許すことを難しく感じたりする「愛着回避」が低い人ほど、BDSMの実践に積極的であることが明らかになりました。
これは、支配的な役割を好む人でも、服従的な役割を好む人でも同じでした。
まとめると、誰でもBDSM的な空想はするけれど、それを実際に行動に移すことができるのは、安心して人と親しくなれる「安定した愛着スタイル」の持ち主だと言えそうです。
空想だけで終わる人と、実際にBDSMを楽しめる人の間には、人間関係への安心感や信頼感という心理的な差があるということなのです。
「心の安定」がSM実践のラインを超えさせる

今回の研究結果を一言でまとめるなら、「相手を信頼し、安心して関係を築ける人ほど、BDSMの世界を実際に楽しめる可能性が高い」と言えます。
この研究が示した一番大切なポイントは、BDSMへの関心や実践と「人との関係の安定性」が深く結びついているということです。
つまり、相手を信頼しやすく、安心して親しくなれるタイプの人は、BDSMという刺激的でちょっと特別な行動を実際に行うことができる、ということなのです。