ベルギーのアントワープ大学(University of Antwerp)で行われた最新の研究により、BDSM(日本では一般に「SM」と呼ばれる)を実際に実践できる人たちは、実践できない人たちに比べて、人間関係における愛着の不安が少なく、より安定した心理傾向を持っていることが分かりました。
ここ最近になってBDSMの実践者の心理について似たような研究結果が相次いでおり、BDSMが非常に高い社会スキルや心理的安定性を必要とする高度な技能である可能性がみえてきました。
しかし、なぜ心理的に安定した人ほど、このような特殊な世界に踏み込むことができるのでしょうか?
研究内容の詳細は2025年7月1日に『Psychology & Sexuality』にて発表されました。
目次
- 空想と実践の間にある壁
- 夢を夢で終わらせない力はどこからくるのか?
- 「心の安定」がSM実践のラインを超えさせる
空想と実践の間にある壁

日本で一般に「SMプレイ」として知られている用語は、性科学の世界ではBDSMと呼ばれています。
これは「ボンデージ(拘束)」、「ディシプリン(しつけ)」、「ドミナンス(支配)」、「サブミッション(服従)」、「サディズム(苦痛を与えること)」、「マゾヒズム(苦痛を受けること)」など複数の言葉の頭文字を組み合わせた略称です。
つまりBDSMとは、縄などを使った拘束や、パートナー間での支配や服従の役割分担、痛みを与えたり受けたりすることを含む、特殊な性的または心理的なプレイを総合した言葉です。
この特殊性のため、BDSMに興味を持つ人々に対して、「心に問題がある人がすることでは?」、「子どもの頃にトラウマがあるのでは?」というネガティブなイメージや偏見が持たれがちでした。
しかし近年の科学研究は、このイメージが実は正しくないことを徐々に明らかにしています。