では、この辞めるべきと思わない人(人数にして731人)はどんな人なのであろうか。それを示したのが図2である。一番上のバーは支持政党が自民党かどうかで分けたものである。
辞任すべきでないと答えた人のうち、自民党の支持者は22.7%だけであった。他は別の党の支持者であるか、支持政党なしである。次のバーは今回の参議院選挙で投票した先であり、自民党に投票した人は21.4%しかおらず、他党に投票した人が56.2%もいる。最後のバーは、いま選挙があるとしたら比例区はどの党に投票するかを聞いたものである、自民党に投票すると答えた人は22.8%だけで。自民党以外に投票する人が49.4%に達する。
この図2のメッセージは明らかである。石破首相に辞めなくてよいと言っているのは自民党の支持者ではなく、自民党に投票した者でもなく、これから自民党に投票する人でもない。石破首相に辞めなくてよいと言っているのはおよそ自民党には投票しない人々である。
このことは図2の上段の支持政党を細分化して政党別の比率を見てみるとよくわかる。図3がそれで、支持政党が同じ人を集めて、そのなかで辞任すべきと思わない人がどれくらいいるかを、見たものである。
立憲民主党が59%というのは、立憲民主党の支持者のうち実に6割が石破首相は辞めなくてよいと思っていることを意味する。共産党ですら辞めなくてよいと考える支持者が53%もいることに注意されたい、立憲民主党と共産党という代表的なリベラル政党の支持者の実に半分以上が石破首相は辞めなく良いと考えていることになる。
これはなぜであろうか。なぜリベラル陣営の人が石破政権の存続を望むのだろうか。アンケート調査は理由の詳細を聞くのは得意ではないが候補をあげて大雑把な事を聞くことならできる。図4は5つの理由をあげ、複数候補で回答者にあてはまる理由を選んでもらった結果である。
1は石破内閣を支持している、2はまだ様子を見たい、という理由で積極的な支持理由である。1の石破内閣を支持している、は8.2%で1割に満たない。辞任しなくてよいと言っても、積極的に支持している人はほとんどいない。2の様子を見たいは4割程度賛同者が存在する。回答者の中には自民党支持の人もいるので、そのためと考えられる。