
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))
日食、山火事、火山の噴火――。現代の私たちにとって、真昼の空が暗くなる現象は、科学で説明できる、あるいは予測可能な出来事だ。しかし、過去の人々にとって、太陽が突然その光を失うことは、説明のつかない不吉な前兆であり、神々の怒りや世界の終わりの始まりを意味していた。
過去に起きた日食の記録を辿ることで、多くの「暗黒の日」は説明がつくようになった。しかし、今なお科学では完全には解明できない、あるいは特に奇妙な出来事として歴史に刻まれた事例が存在する。ここでは、そんな中でも、特に不気味な8つの「暗黒の日」を紹介しよう。
デトロイトの「黒い雨」(1762年)
1762年10月19日、アメリカのデトロイトに奇妙な闇が訪れた。商人のジェームズ・スターリングは、その日の太陽を「血のように赤く、普段の3倍以上の大きさだった」と手紙に記している。空は汚れた黄緑色に染まり、あまりの暗さに日中からロウソクを灯さなければならなかったという。
そして何より奇妙だったのは、空から降ってきた「黒い雨」だ。スターリングが差し出した紙は、インクのように真っ黒に染まり、空気は硫黄のような悪臭に満ちていた。この現象はカナダでも報告され、フランス語で「煤の雨(pluie de suie)」と呼ばれた。
この原因は、今なお謎に包まれている。火山噴火説、森林火災説、あるいは翌年に起きた先住民ポンティアックの反乱の前兆だと不吉に思う者もいたが、決定的な証拠は見つかっていない。

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