さて、ここまでで日本人の名前が付けられた鉱物をご紹介いたしました。
しかし、日本人の名前以外にも、日本にゆかりのある名前を付けられた鉱物が存在します。
それが「県名」が付けられた鉱物。
人名に比べるとはるかに少なく、2022年の段階ではわずか4種類しかありません。
日本で最初に県名が付けられた鉱物は、1958年に発見された「滋賀石(しがせき)」こと「シガアイト」です。
滋賀県栗東市にある五百井鉱山のマンガン鉱の中に発見された鉱物で、発表者はミシガン大学の鉱物学者であるドナルド・ピーコー氏です。
発表者が日本人ではなく外国人なのに、鉱物の名前は県名という、とても面白い鉱物です。
滋賀石の発見を皮切りに、「岡山石(おかやませき、オカヤマライト)」、「新潟石(にいがたせき、ニイガタイト)」、「東京石(とうきょうせき、トウキョアイト)」と、少しずつですが県名の付けられた鉱物が登場するようになりました。
今後も増える?日本人の名前が付けられた鉱物
今回は、日本人の名前が付けられた鉱物を5種類、ご紹介いたしました。
- 杉石(スギライト)
- 逸見石(ヘンミライト)
- 南部石(ナンブライト)
- 原田石(ハラダイト)
- 松原石(マツバライト)
新種の鉱物は、現在も世界各地で発見され続けています。
もしかしたら、日本でもまた新たな鉱物が発見され、日本人の名前が付けられることもあるかもしれません。
今後の鉱物学者の方々の活躍、そして新種鉱物の発見に期待しましょう。
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参考文献
松原 聰『新鉱物発見物語』
https://www.amazon.co.jp/dp/4000074555
松原 聰『日本の鉱物』
https://www.amazon.co.jp/dp/4054043704
松原 聰監修『鉱物・岩石紳士録』
https://www.amazon.co.jp/dp/4054047203
飯田孝一『天然石のエンサイクロペディア』
https://www.amazon.co.jp/dp/4904850084