とはいえ、英国は世界有数のサッカー市場でもあるため、プレミアクラブの引き締めは強くなるが、イングランドのサッカーリーグ全体としての環境を整備・改善し国際競争力を維持することができれば、今後も海外からの投資を呼び込むことはできるだろう。


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保守的な価値観は両刃の剣

国民の総意が、長期的には必ずしも正しいとは限らない。ブレグジット(イギリスの欧州連合離脱)が経済的な低迷を招くと専門家は警鐘を鳴らしたが、英国は民意に従いEUを離脱した。その後、多くの国民が決定を後悔しているとする世論調査も出ている。

保守的な価値観は、伝統を保全する一方で、発展と成長の芽を摘んでしまうリスクもはらんでいる両刃の剣だ。平均化された文化は個性が乏しく、総意よりも一人の狂気や先見性が芸術や革新を生む。過度に権力が介入すると活力が失われ、文化は味気ないものになってしまう。

今後のイングランドサッカーを生かすも殺すもIFRの舵取りにかかっている。この英国の冒険の一挙手一投足を、世界のサッカー界が注視している。