業界別で見ると、アパレル業界の平均年収は低めだ。しかし、平均年収が1,000万円に近い企業もある。ユニクロを運営するファーストリテイリングだ。コロナ禍でも国内事業の業績は好調で、平均年収は今後さらに上がると見られている。
アパレル業界の平均年収ランキング
まずは、アパレル業界の平均年収ランキングを紹介しよう。平均年収は各社が会計年度ごとに発表している「有価証券報告書」で確認できる。アパレル業界の平均年収トップ10は、以下のとおりだ。
なお、企業によって1,000円単位で公表している企業と1円単位で公表している企業があるため、今回は1,000円単位(1,000円未満切り捨て)で紹介する。
<大手アパレル企業の平均年間給与ランキング>
順位 | 企業名 | 平均年収 | 時期 |
1位 | ファーストリテイリング | 901万3,000円 | 2020年8月末時点 |
2位 | オンワードホールディングス | 788万2,000円 | 2020年2月末時点 |
3位 | AOKIホールディングス | 697万1,000円 | 2020年3月末時点 |
4位 | ゴールドウイン | 681万0,000円 | 2020年3月末時点 |
5位 | キング | 678万0,000円 | 2020年3月末時点 |
6位 | ダイドーリミテッド | 647万0,000円 | 2020年3月末時点 |
7位 | シャルレ | 632万4,000円 | 2020年3月末時点 |
8位 | リーガルコーポレーション | 623万2,000円 | 2020年3月末時点 |
9位 | ナイガイ | 621万6,000円 | 2020年1月末時点 |
10位 | デサント | 591万2,000円 | 2020年3月末時点 |
1位,ファーストリテイリング 901万円3,000円
首位は冒頭で紹介したファーストリテイリングだ。同社の従業員数は1,589人で、平均年齢は37歳10ヵ月、平均勤続年数は4年3ヵ月となっている。
2位,オンワードホールディング 788万2,000円
2位はオンワードホールディングスで、ファーストリテイリングとは100万円以上の差があるものの、700万円超えは業界の中ではかなり高い水準といえる。従業員数は87人で、平均年齢は48.9歳、平均勤続年数は25.4年だ。
3位,AOKIホールディングス 697万1,000円
3位はAOKIホールディングスで、700万円台まであとわずかだった。従業員数は104人で、平均年齢は41.6歳、平均勤続年数は7.8年だ。
各社の従業員数が非常に少ないと思ったかもしれないが、これは連結会社の従業員数が含まれていないからだ。例えばファーストリテイリングは、連結会社の従業員だけで国内外含め5万7,727人に上る。
ファーストリテイリングの平均年収は右肩上がり?
ファーストリテイリングの平均年収がアパレル業界で首位であることがわかったが、今後同社の平均年収はさらに上がっていくのだろうか。
これまでの同社の平均年収の推移は、以下のとおり。微減となった年もあったが、10年スパンで見れば平均年収は右肩上がりであり、このペースでいけば数年以内に平均年収が1,000万円に到達することも十分考えられる。
<ファーストリテイリングの平均年収の推移>
会計年度 | 平均年収 |
2020年8月期 | 901万3,000円 |
2019年8月期 | 900万4,000円 |
2018年8月期 | 877万3,000円 |
2017年8月期 | 791万5,000円 |
2016年8月期 | 764万4,000円 |
2015年8月期 | 769万6,000円 |
2014年8月期 | 735万9,000円 |
2013年8月期 | 709万2,000円 |
2012年8月期 | 675万7,000円 |
2011年8月期 | 643万9,000円 |
ファーストリテイリングの業績はコロナ禍でも堅調
一方で、懸念されるのが新型コロナウイルスの影響による業績悪化と、それに伴う平均年収の落ち込みだが、コロナ禍でもファーストリテイリングの業績は決して悪くない。
2021年1月に発表した2021年8月期第1四半期の連結業績(2020年9~11月)では、売上収益は前年同期比0.6%減の6,197億9,700万円と微減にとどまり、営業利益は23.3%増の1,130億9,400万円と大幅増益を果たした。
特に国内ユニクロ事業が好調で、第1四半期は前年同期比8.9%増の2,538億円、営業利益は同55.8%増の600億円と、増収・増益を果たしている。コロナ対策向けのエアリズムマスクの販売が好調だったほか、EC(電子商取引)の売上高も48.3%増と急増した。
遠くない将来「平均年収1,000万円」に到達か
平均年収が右肩上がりであることと、コロナ禍によるダメージが一定程度にとどまっていることを考慮すると、ユニクロを運営するファーストリテイリングの平均年収は遠くない将来1,000万円に到達する可能性がある。
株価も2021年2月に10万円を突破し、アパレル業界において時価総額が世界1位となったファーストリテイリングに、引き続き注目したい。
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。
【関連記事】
・仕事のストレス解消方法ランキング1位は?2位は美食、3位は旅行……
・日本の証券会社ランキングTOP10 規模がわかる売上高1位は?
・人気ゴールドカードのおすすめ比較ランキングTOP10!
・つみたてNISA(積立NISA)の口座ランキングTOP10
・【初心者向け】ネット証券おすすめランキング