この考えは、より複雑な迷路でも機能します。

上の迷路は先ほどの迷路に黄色い「独立した壁」という概念を加えたものです。
この独立した壁は左手の壁と右手の壁のどちらとも接続していないことがわかります。

この迷路に対しても先ほどのように、分割して壁を引っ込めるトポロジー的に同じ処理を行うと、最終的には左右の壁とその間に挟まれた黄色い塊へと変形させることが可能です。
中央に独立した壁であっても「手を壁に当てながら進む」で攻略できるのは、このためです。
ではゴール地点が迷路の中心にあるような、特殊なパターンではどうなるでしょうか?

上の図はそのパターンを示しており、スタート地点の壁は分割できない「両方が左手の壁(あるいは右手の壁)」の状態になっており、その先には独立した壁に囲まれたゴールが存在しています。
この場合「手を壁に当てながら進む」を実行すると、必ずスタート地点に戻って来てしまう堂々巡りが起きてしまいます。
そこでこの迷路に対してもトポロジー的に同じになるように処理してみます。

すると最初の「両方が左手の壁」はゴールに繋がっておらず、ある意味で攻略には全く関係がない存在であることがわかります。

これをトポロジー的に際立たせると、上の図のようになります。
この図を見ると、最初に接触する両方とも左手の壁(青)にどんなにアプローチしても黄色の壁に囲まれたゴールにたどり着けないことがわかります。
つまり「手を壁に当てながら進む」方法で堂々巡りになってしまう場合、手を当てている壁が攻略に関係ない存在と判断することが可能になります。
