建設会社を経営し、マルベーリャ市長でもあったヒル氏は、市の公金をクラブに不正流用し、個人や関連企業の資金とクラブ資金を混同させていた。
2002年、株式不正取得や公金横領で有罪判決を受け、罰金や執行猶予付きの刑が科された。その後、2003年に会長を辞任。クラブは一時、裁判所指名の管財人管理下に置かれ、2000/01から2シーズン2部降格を経験するなど経営危機に直面した。
この事件は、ワンマン経営によるクラブ私物化の危険性を示す典型例として知られる。

イタリアの八百長スキャンダル「カルチョーポリ」(2006)
2006年、FIFAワールドカップ(W杯)ドイツ大会直前にイタリアサッカー界を揺るがした「カルチョーポリ」は、ユベントスのGMルチアーノ・モッジ氏(当時)を中心に、審判割り当てへの不正介入が行われた事件である。
盗聴された会話記録から、ユベントスが有利な審判を割り当ててもらうよう工作していたことが発覚。ミランやラツィオ、フィオレンティーナ、レッジーナなど複数クラブも関与した。
ユベントスは2004/05、2005/06シーズンのスクデット(リーグ優勝タイトル)を剥奪され、セリエBへの強制降格処分を受けた。他クラブも勝ち点剥奪などのペナルティを科され、イタリアサッカー界全体の信頼が揺らいだ。
この事件は、トップクラブによる組織的な不正の実態を露呈した典型例として知られる。

オリンピック・マルセイユの八百長事件(1993)
フランスの名門オリンピック・マルセイユは、1992/93シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)で優勝したが、同シーズンのリーグ戦での八百長が発覚。ベルナール・タピ会長主導の下、リーグ戦最終戦の対戦相手ヴァランシエンヌの選手を買収した上で、主力を温存しCL決勝に備えた。