何しろ、100万kW原発級の1基ではその敷地がわずか0.6㎢で済むのに対して、太陽光発電では山手線内側の58㎢と同じ面積が必要になり、さらに風力発電に至っては、その3.4倍の214㎢の敷地がなければ原発1基に匹敵しないことが、明示的に分かるからである。
翻って考えると、「再生可能エネルギー」論者の本にはこの優れた図が見当たらなかったし、講演会でも原発の放射能の危険性は繰り返されていたが、山手線内側の面積に匹敵する敷地が何処にあるかを示す方々はいなかったようである。また、マスコミもこの資料には触れてこなかったように思われる。
観察された事実から
この敷地面積の事例からでも、観察された事実からの新しい知識と判断の重要性が理解できる。そこには自然科学と人文・社会科学の差はありえないから、それぞれの立場から慎重な科学的ベストミックスの理論を求めるしか、私たちの未来を切り開く方法はない。
【参照文献】
Bernard,C.,1865,Introduction à l’étude de la médicine expérimentale .(=1970 三浦岱栄訳『実験医学序説』岩波書店). 磯村英一,1968.『人間にとって都市とは何か』日本放送出版協会. 金子勇,2013,『「時代診断」の社会学』ミネルヴァ書房. 金子勇,2023,『社会資本主義』ミネルヴァ書房. Mannheim, K.,1935, Mensch und Gesellschaft im Zeitalter des Umbaus,Leiden A.W.Sythoff’s Uitgeversmaatsschappy N.V.(=1976 杉之原寿一訳「変革期における人間と社会」樺俊雄監修『マンハイム全集5 変革期における人間と社会』潮出版社):1-225. Mannheim, K.,1943, Diagnosis of our Time, (=1976 長谷川善計訳「現代の診断」樺俊雄監修『マンハイム全集5 変革期における人間と社会』潮出版社):227ー515. Merton,R.K,1957,Social Theory and Social Structure, The Free Press.(=1961 森東吾ほか訳『社会理論と社会構造』みすず書房). Mills,C.W.,1959,The Sociological Imagination, Oxford University Press.(=1965 =1995 鈴木広訳『社会学的想像力』紀伊国屋書店). Parsons,T.,1951,The Social System, The Free Press.(=1974 佐藤勉訳『社会体系論』青木書店). 瀬尾佳美,2005,『リスク理論入門』中央経済社.