さらに、参加者は全員若い異性愛の男女カップルでした。
そのため、年齢層が上の夫婦や交際数十年の熟年カップル、あるいは同性カップルの場合に同じ現象が見られるかは不明です。
今後の研究では、こうした限界を踏まえてさらなる探究が期待されます。
例えば、より多様な対象への拡大です。
同性のカップルや遠距離恋愛中のカップル、あるいは新婚夫婦や子育て中の両親など、状況の異なるペアで同様の観測を行えば、ホルモン同期の普遍性や条件が見えてくるかもしれません。
また、今回はオキシトシンに注目しましたが、他のホルモンとの関係も重要なテーマです。
ストレスに関与するコルチゾールなどを併せて測定すれば、リラックスと興奮が交錯する性行為中・後における心身のダイナミクスが一層明らかになるでしょう。
あるいは、実験室でのより詳細な測定(例えば脳脊髄液中のオキシトシンとの比較や、より精密な時間分解能での採血)によって、生理学的メカニズムの裏付けを強化することも考えられます。
フィールド(現場)とラボ(実験室)の両面からアプローチすることで、「愛情ホルモン」が奏でる複雑なハーモニーの全体像に迫ることができるでしょう。
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元論文
Charting Salivary Oxytocin Across an Episode of Naturally Occurring Partnered Sex
https://doi.org/10.1007/s10508-025-03144-z
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部