例えば恋人や夫婦などが一緒にいるとき、心拍数や呼吸のリズム、さらにはストレスに関わるホルモンの値までもが似たパターンで変化するということが分かっています。
オキシトシンに関しても同様で、特に母親と赤ちゃん、患者とセラピストといった特別な関係では、二人のオキシトシン濃度が連動して変化することが示されています。
しかし、恋人や夫婦といった大人同士のパートナーが、性的な活動を行ったときにホルモンがシンクロするかどうかを具体的に調べた研究は、これまで行われていませんでした。
これまでにも一部の研究で、カップル同士のオキシトシン濃度を測定して、二人のホルモン値がどの程度関係しているか調べようとした試みはありましたが、その結果ははっきりとしたものではありませんでした。
一部の研究では、パートナー同士のオキシトシン濃度に明確な関連性が見つかりましたが、別の研究では関連が見られないという報告もあり、意見が分かれていたのです。
こうした背景から、オキシトシンの分泌パターンや二人のホルモンのシンクロ現象について、日常生活に近い状況で改めて調べ直す必要が出てきました。
そこで今回の研究チームは、実験室や病院といった人工的環境ではなく、実際のカップルが普段通り生活する自宅という環境の中で、オキシトシンの動きを詳しく追跡するという、これまでにない新しい研究に取り組んだのです。
実際の生活の中で愛し合うカップルがいるとき、二人の体内ではオキシトシンはどのように変化しているのでしょうか?
また、カップル同士のホルモン濃度は、本当にシンクロすることがあるのでしょうか?
そして、オーガズムを経験するかどうかが、このホルモンの変化に何か影響を与えているのでしょうか?
「セックス後の余韻」には生物学的な理由があった

オキシトシンがカップルの間でどのように変化しているのか?
答えを得るため研究者たちは実際のカップルを対象に詳しい調査を行いました。