これは自分自身を異性にアピールするための重要な機会であり、自分の良さや特徴をできる限り魅力的かつ創造的に伝える必要がありました。
研究者たちは参加者が作成した文章を集め、「どれほど多くのアイデアを出しているか(流暢性)」、「どれほどユニークで面白いアイデアを出せているか(独創性)」、「どれだけ多様なテーマを取り入れているか(柔軟性)」など、さまざまな観点からその創造性を評価しました。
もし魅力的な相手の容姿に創造性が刺激されたなら、より魅力的な相手の写真を見た被験者はプロフィールがより創造性の溢れるものになるはずです。
しかし結果はやや意外なものになりました。
どれだけ魅力的な異性の写真を見たかどうかは、創造性の「全体的」なスコアには大きく影響しないことがわかりました。
しかし、創造性の種類ごとにみると、興味深い男女差がみえてきました。
男性参加者は、創造性の要素の中で、自己紹介文の中で特にユニークさや斬新な視点(独創性)を発揮する傾向がありました。
これに対して女性参加者は、創造性の要素の中で、より多くのアイデアを取り入れたり(流暢性)、自分の長所や魅力を積極的にアピールする傾向が強かったのです。
つまり男性は「個性的なアピール」を、女性は「多彩な魅力」をそれぞれ強調していたのです。
次に行われた実験2では、さらに踏み込んで異性のプロフィールが「長期的な交際を望んでいる場合」と「短期的な交際を望んでいる場合」で、創造性がどのように変化するかを調べました。
今回の実験では約500名の参加者が参加しました。
参加者は全員「容姿が魅力的な異性」のプロフィールを見ましたが、重要な違いとして、プロフィールに書かれている交際タイプが異なりました。
半数のプロフィールには「真剣に長期的な交際を望んでいる」と書かれており、もう半数には「気軽な短期的な関係を望んでいる」と書かれていました。