本研究は、量子光学における「角運動量保存則」が1光子という最小単位でも確実に成り立つことを示した重要なステップであり、将来の高次元・多自由度エンタングルメント生成や量子通信・量子情報処理の基盤となる可能性を持っています。今後は変換効率の高い非線形プロセスや、より高性能な検出器、決定論的な単一光子源、効率的なOAMモード測定技術が組み合わされれば、さらに大きなOAM量子数や複雑な多光子エンタングルメントの検証が可能になるでしょう。

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元論文

Conservation of Angular Momentum on a Single-Photon Level
https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.134.203601

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部