水中映像では、イルカがクジラを追って海底まで潜り、間近で泳ぎ続ける様子が確認されました。このときイルカはクジラの目の前に位置をとって視線を合わせるような動きも見られ、互いの存在を強く意識していることがうかがえました。
このような海底での接近は、船上からの観察だけでは分からなかった新しい発見です。
遊び、それとも戦略?
研究チームは、今回の交流の多くを「遊び行動」とみなしています。遊びは単なる娯楽ではなく、関係構築や感覚刺激、ストレス軽減などの役割を持ちます。
イルカにとっては、クジラの作る波に乗ることで省エネ移動ができ、刺激も得られるという利点があります。(これはイルカが船と並走する場合にも見られる部分です)
クジラにとっても、社交性や好奇心を満たす機会になっている可能性があります。
もちろん、過去にはイルカがクジラをからかうような行動や、獲物を奪うための接近も目撃されているので、常に両者が有効的なわけではないでしょうが、今回の研究は、SNSの投稿を利用することで、これまで少数の目撃報告のみで判断されていた問題を、統計的に分類し、イルカとクジラが友好的な交流をする場合が多いことを明らかにした点で大きな意義があります。
巨大なクジラと小柄なイルカが同じ海で遊ぶ姿は、人間にとっても心を和ませる光景です。海の中には、種の違いを超えて「楽しさ」を共有する瞬間があり、その一部を私たちはようやく垣間見始めたばかりなのです。
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参考文献
Playtime mostly mutual activity between dolphins and whales
Playtime mostly mutual activity between dolphins and whales
https://news.griffith.edu.au/2025/08/12/playtime-mostly-mutual-activity-between-dolphins-and-whales/