そもそも、目の前の大変な敗北は「俺が」やったことでもあるんだ。俺は他人事のように、上から目線であれこれ誰が悪いとか言う立場である以前に、失敗の「当事者なんだ」と思える感覚の、有無を問題にしている。

「見えない原爆投下」がいま、80年後の世界を揺るがしている。|與那覇潤の論説Bistro
昨日発売の『潮』9月号で、原武史先生と対談した。病気の前には原さんの団地論をめぐり『史論の復権』で、後には松本清張をテーマにゲンロンカフェで共演して以来、3度目の対話になる。
今回はともに5月に出た、私の『江藤淳と加藤典洋』と原さんの『日本政治思想史』の内容を交錯させながら、いま、江藤と加藤から戦後史をふり返る意味...
苅部さんの拙著の書評は、以下のように続く。歴史が消えてしまったとしても、かつて歴史を語れるような主体を育てるために必要とされたモラルは、今日もなお、まっとうに相互の責任を担いつつ、共に暮らす条件だ。
むしろ、いまや「歴史なし」で――戦争の話題ならみんな背筋伸ばして聞くっしょ? といった過去への依存を抜きにして、ぼくらは社会を営まないといけない。それが今日からの課題である。
世に横行する、特定の政治主張のための歴史のつまみ食いには背をむけて、過去から遺されたテクストの言葉に向き合い、その作者と語り合うようにして思考を続けること。
その作業が、大きな「歴史」の共有が不可能になったこの時代に、さまざまな他者との共存を支える可能性に賭けるのである。
参考記事:
なぜ靖国問題はここまでこじれたのか|與那覇潤の論説Bistro
もうすぐ80年目の「8.15」だが、悼む日を静かに迎えるには、あまりに政治の情勢が不穏だ。歴史を語るコメントを石破茂氏が出すのかも、彼がいつまで首相なのかもわからない。
「やり遂げるべきだ」立民・野田代表が石破首相の戦後80年見解表明を後押し 衆院予算委 立憲民主党の野田佳彦代表は4日の衆院予算委員会で、石...
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