いや、安倍談話に照らしても、反省してないはずはない(以下のとおり、「反省」の語も出てくる)。なんだけど、反省してますって新たに「口にしたら死ぬ病」みたいななにかが、ここ10年間を覆ってきたんだと思う。

我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきました。……こうした歴代内閣の立場は、今後も、揺るぎないものであります。

談話の発出は2015.8.14

つまり近年、ぼくらは急速に「ネガティブさを含む自分語り」が下手になった。毎日キラキラしてないと死ぬ病みたいなSNSユーザーを、意識高い系とか承認欲求強すぎとか陰で笑う風潮がありつつも、国がまるごとそうなっていたのだ。

それって結構・重篤な病じゃ・ないだろうか。

5月刊の拙著『江藤淳と加藤典洋』について、『AERA』の8/11・18合併号に苅部直先生が寄せてくれた書評が、ネットで公開されている。