千島全島が占領された後の9月8日、サザーランド参謀長と会見した河辺参謀次長はマッカーサーの指揮権限について問い質し、その回答に衝撃を受けた。すなわち、マッカーサーは他の連合国に対して「何等指揮ノ権限ナシ、調印ト降伏ノ遣リ方ヲ定メル権限ヲ有スルノミ」というのであった。
そうなるとマッカーサーには、日本に対する9月2日の「特別命令第一号」(各地の日本軍が連合国の誰に武装解除するか)や、極東国際軍事裁判所設立に関する宣言と同裁判所条例を承認する権限がないことになる。が、江藤はこの辺り、「彼の権原及び権限の曖昧さは、以後占領の侵攻につれて、一つには米国の対日政策の変化に従い、もう一つは国際環境、つまり連合国間の力関係の推移に左右されて、様々な形に増幅されて行くのである」と述べている。
以上の通り、先の大戦終結日は1945年9月2日である。が、だからと言って、8月15日の玉音放送を以て武器を置いた満州や朝鮮や樺太や千島の日本軍や民間人まで蹂躙したソ連の無道は許されるべきでない。まして9月2日以降の南千島占領は無法極まる。
何れにせよ「石破見解」は無用、総理総裁を降りてから幾らでも発信したら良い。