粒子と波の二重性が視覚的に明らかになりました。
フランスのソルボンヌ大学(SU)で行われた2024年の研究により、原子の存在確率を制御することで単一原子が量子的な波の状態へ広がっていく様子を視覚的に捉えることに成功しました。
観測された存在確率の分布はシュレーディンガーの方程式と完全に一致しており、量子が波としての性質と粒子としての性質を持つことを、これまでで最も鮮明な画像として提供しています。
研究者たちは具体的な量子の挙動を把握すること、量子制御技術の開発において重要な一歩になると述べています。
しかしいったいどんな手法によって「存在確率の制御」を実現したのでしょうか?
研究内容の詳細は2025年2月28日付けで科学雑誌『Physical Review Letters』に掲載されています。
目次
- 単一原子が量子的な波として広がっていく
単一原子が量子的な波として広がっていく
1920 年代、猫のパラドックスで知られるシュレディンガーは、波動方程式によって粒子が持つ波と粒子の二重性を表現することに成功しました。
新たな研究では単一の原子が波のように振る舞う様子を鮮明な画像として記録することに成功しています。
量子の奇妙な世界では、粒子は特定の場所に固まって「存在する」のではなく、空間のなかで「存在確率が分布する」というあやふやな状態にあることが知られています。
ですがシュレーディンガーの波動方程式を使うと、ある粒子が特定の場所に存在する確率密度を導き出すことが可能になります。

たとえば平面上に固定されていた単一原子が解放されると、存在確率の濃さは上の図のように、最も存在しそうな点をピークにして広がっていきます。