穴がどこかでカーブしていると、そのカーブした箇所に音波が当たって跳ね返ってくる可能性があるからです。

このような深い穴にダイバーが潜っていくことはできないため、研究チームは2023年12月に、穴の中の水温や深さなどを記録できる測定器を500メートルもの長さがあるケーブルに繋いだ状態で、穴に直接下ろす調査を実施しました。
穴の中の水温や水深のデータはケーブルを下ろしながらリアルタイムで送られてきます。
その結果、タアム・ジャ・ブルーホールの深さは少なくとも水深420メートルに達することが判明したのです。
これはドラゴン・ホールの301メートルを大きく上回る世界記録となります。
調査によると、測定機器は垂直に対して約30°傾斜した方向へ移動しており、タアム・ジャ・ブルーホールの穴がこの傾斜で曲がった方向へ広がっている可能性があるようです。
しかし研究者によると、このブルーホールは420メートルよりさらに深いところまでさらに広がっているのは間違いないという。
というのも今回の調査では、1度目は416メートル、2度目は423メートルの辺りで計測器が水中の流れにさらわれて岩壁にぶつかったせいで、その地点までの記録しか得られなかったからです。

また今回の調査では、水深400メートルを超えた辺りから海水の水温や塩分濃度が上昇していることも判明しました。
これは近くにあるカリブ海の水温や塩分濃度に近いため、タアム・ジャ・ブルーホールの底には複雑な洞窟が隠されており、それがカリブ海とつながっている可能性があるという。