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「今日もオンライン会議続きで、首が痛い……」 「毎日のデスクワークで、首や肩がもうガチガチ……」
デスクワークが定着して久しい現在、私たちの体は静かに悲鳴を上げています。肩こりに悩む20~40代でデスクワークに従事する女性500名を対象にパナソニックが行った調査では、肩こりの原因として89%が「PC作業」を挙げています。実に9割近い人が、PCによる不調を訴えているのです。
【参照】肩こりの原因、1位は「PC作業」、7割が「肩こりで仕事効率が落ちると感じる」
PCだけではありません。スマホを操作する姿勢も首こりや肩こりを引き起こします。いまこれを読んでいる人も、もしかしたらスマホを見下ろしたり、背中が丸まった状態になっているかもしれません。
近年、PCやスマホの操作姿勢から生じる首まわりの不調は「テックネック(Tech Neck)」と呼ばれ、注目されています。単なる首こり・肩こりと放置していると、体のさまざまな部分に不調をきたす可能性がありますし、仕事の効率も大きく下がります。
テックネックはデバイスの選び方や作業環境の見直し、作業の合間のちょっとしたストレッチやエクササイズで対策できます。理学療法士の立場から、テックネックとはどんな不調なのか、またすぐに実践できる対策をお伝えしたいと思います。
現代人の新たな不調「テックネック」とは?
実は「テックネック(Tech Neck)」は医学的な病名ではありません。スマホやノートPCを長時間使用することで首が前に突き出た姿勢が続き、首・肩・背中に慢性的な負荷がかかる現象を指す一般的な呼称です。
医学的には「頭部前方位(Forward Head Posture)」と呼ばれるこの状態は、首の自然なカーブが失われ「ストレートネック」を引き起こします。身近な同僚や友人の横顔を観察してみると、頭が前に突き出ている人が意外と多いことに気づくかもしれません。デジタルデバイスが私たちの生活に欠かせない今日、テックネックは現代の新たな「生活習慣病」とも言えるでしょう。