第1位の「ストラディバリウス」は、歴史上最も有名な弦楽器です。

イタリア北西部・クレモナで活動した名工、アントニオ・ストラディバリ(1644-1737)の手によるもので、その比類なき音質から世界中の演奏家に愛されています。

ストラディバリとその一族が、1600年代から1700年代にかけて製作し、現在までに約600挺(ちょう)が現存しています。

ストラディバリは1680年、クレモナのサン・ドメニコ広場に工房をかまえると、またたく間にその天才性を発揮しました。

楽器を製作するストラディバリ(1893年・画エドガー・バンディ)
楽器を製作するストラディバリ(1893年・画エドガー・バンディ) / Credit: ja.wikipedia

2人の息子と共に、生涯で1116挺の弦楽器を残したとされます。

しかし、彼と一族の死後に後継者は存在せず、ストラディバリの用いた製法は失われてしまいました。

ストラディバリの製法を再現する試みは今も続いていますが、こちらも再現はできていません。

最近の研究では、ストラディバリウスの独特な音色は「防虫剤」のおかげだったことが判明しています。

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参考文献

10 Ancient Technologies We Cannot Recreate Today
https://listverse.com/2021/10/15/10-ancient-technologies-we-cannot-recreate-today/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部