たとえば、「このやり方だと、1週間で作業時間が1時間短縮できます」と言えば、ポジティブな未来がイメージしやすくなります。

4つ目は、自由を与える、つまり選ばせることです。

命令ではなく選択肢を提示することで、相手は自分の意思で決めたと感じ、反発が減ります。

たとえば、「この3つの方法のうち、どれが一番合いそうですか?」という形です。

では、これらの説得テクニックはどんな場面で活躍するでしょうか。

きっとあなたにも関係があります。

あなたも説得テクニックを上手に活用できる

前述の説得法は、さまざまな人間関係に応用することができます。

親子関係であれば、「勉強しなさい」ではなく「勉強を終わらせればゲームをもっと楽しめるよ」と言う方が効果的です。

職場では、「最近ミスが多いな」よりも「以前の成果は素晴らしかった。また最高のレベルに戻れると思うよ」と伝える方が良いでしょう。

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説得テクニックを活かせる場面は様々 / Credit:Canva

医師であれば、患者に対して「このままでは糖尿病になります」と言うよりも、「多くの患者さんが生活を変えて、体が軽くなったと喜んでいます」と伝える方がやる気を引き出せます。

教育現場でも、「今のままだと単位が危ない」より「この方法ならもっと楽に理解できるよ」と話す方が前向きです。

恋人やパートナーとの会話でも、「あなたの考えはおかしい」ではなく「私はこういう考え方が好きなんだ。どう思う?」と聞く方が心を開いてもらえるでしょう。

頑固な人の心を変えるには、正しさよりも、快さや意味を届けることが大切です。

人の心は理屈ではなく、希望と共感で動きます。

脳の報酬システムに寄り添った説得を実践すれば、相手の態度だけでなく、自分自身のストレスも減らすことができるかもしれません。

「どうしても変わってほしい」と願うその人のために、今日から脳にやさしい説得を試してみてはいかがでしょうか。