4. 侵入者の正体は「クマ」(1962年)

(画像=画像:U.S. Air Force / Wikimedia Commons (Public Domain))
これもキューバ危機での出来事だ。1962年10月25日、ミネソタ州の空軍基地で、警備兵がフェンスをよじ登る不審な影を発見。侵入者に向けて発砲し、警報を作動させた。
しかし、ウィスコンシン州の別の基地では、この警報システムが誤って配線されていた。鳴り響いたのは侵入警報ではなく、核ミサイルを搭載したF-106A迎撃機に離陸を命じるサイレンだったのだ。パイロットたちはソ連との全面核戦争が始まったと確信した。
迎撃機がまさに離陸しようとしたその時、管制塔から一台の車が滑走路を疾走し、離陸中止の合図を送った。ミネソタの基地に侵入した不審者の正体が、ようやく判明したからだ。それは、一頭のクマだった。
5. 墜落した核搭載機(1968年)

(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))
1968年1月21日、グリーンランド近郊で、核兵器を搭載したB-52爆撃機が火災を起こし、乗組員は脱出。無人となった機体は、早期警戒レーダー基地のわずか11キロ先に墜落した。
機体は爆発し、核兵器を起爆させるための通常爆薬も爆発した。当時の技術では、この第一段階の爆発が、第二段階の核分裂反応を誘発し、核爆発を引き起こす可能性が理論上存在したが、幸いにもそれは起きなかった。もし核爆発が起きていれば、NORADは通信途絶と放射線検知という情報から、「ソ連による先制核攻撃」と結論づけ、即座に報復攻撃を開始していただろう。