世界が核戦争に最も近づいた7つの記録 — 冷戦時代、世界を破滅寸前に追い込んだ「ありえない失態」の画像1
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))

 数千発もの核弾頭を持つ二つの超大国が深い敵意と疑念を抱いて睨み合う。外交ルートは遮断され、50もの小国がそれぞれの思惑で動く、それが冷戦という時代だった。

 この一触即発の時代、人類は何度も核戦争勃発まであと一歩のところまで追い込まれた。しかし、その引き金となりかけたのは、計算され尽くした戦略ではなく、驚くほど些細な、そして時には滑稽でさえある「ありえない失態」だったのだ。

 ここでは、そんな核時代の危機一髪を7つ紹介する。

1. 白鳥の大群を「ソ連軍機」と誤認(1956年)

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 1956年11月5日、第二次中東戦争の真っ只中、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)は、ソ連による大規模攻撃が始まったことを示唆する複数の警告を受け取った。

 黒海からエーゲ海へ向かうソ連艦隊、シリア上空を飛行する100機のソ連製ミグ戦闘機、撃墜されたイギリスの爆撃機、そしてトルコ上空を飛行する所属不明機。全ての情報が、第三次世界大戦の勃発を指し示していた。

 しかし、そのすべてが全くの誤解だった。ソ連艦隊は通常演習中、ミグ戦闘機はシリア大統領の護衛機(数も誇張されていた)、イギリスの爆撃機は機械トラブルで緊急着陸しただけ。そして、トルコ空軍を緊急発進させた所属不明機の正体は、なんと白鳥の大群だったのである。