そこで研究チームは、微小重力環境を作り出し、実際に揚げ物(フライドポテト)ができるか実験することにしました。
彼らは航空機に放物線飛行を行わせ、その内部で短時間の微小重力環境を生み出しました。
ジェットコースターの頂点では、自分の内臓が浮かんでいるような感覚になりますが、これは無重力に近い状態になっているからです。

同様に航空機でも放物線運動を行うように操縦すると、短時間ですが無重力に近い状態が作り出せるのです。
チームはこの効果を利用して、航空機の中に実験用装置を設置。
装置(容器)の中に加熱した油とジャガイモを入れました。

そして装置内の様子を高解像度のハイスピードカメラで撮影し、ジャガイモから出る水蒸気の泡のサイズや分布、速度や進行方向などを記録しました。
ちなみに実験用装置は安全のために圧力が一定に保たれており、油の漏れや飛び散りを防止しています。
実験の結果、地球上と同じく、水蒸気の泡はジャガイモの表面から簡単に剥がれることを発見しました。

実験装置内を記録した動画でも、水蒸気の泡がジャガイモの表面から放出され、しっかりと分離されている様子を確認できます。
揚げ物中の水蒸気の生成は、重力加速度レベルに依存しない可能性があると言えるでしょう。