しばらく揚げ続けると、泡の量が収まってくるのは、それだけ抜け出る水分量が少なくなっている証拠です。

油で揚げると食材の表面や衣の水分がなくなるからこそ、サクッとした触感が得られるのです。
そして表面の水分がなくなり、内部の水分が残っている状態こそが「揚げ物としての完成」であり、外と中の食感や味わいの違いを楽しめます。
逆に言うと、火が通っても長時間食材を揚げ過ぎると、内部の水分まで飛んでパサパサになってしまうので美味しくなくなります。
ここまで考えると、揚げ物を成功させる秘訣は、食材の表面から水蒸気を引き離すことだと分かりますね。
油の中に多量の食材を重ねて入れると上手に揚がらない理由の1つは、水蒸気が邪魔をしているからなのです。
では、宇宙のような微小重力環境でも、揚げ物を上手に揚げることができるのでしょうか?
宇宙でも揚げ物が食べられると判明!

カラパンシオス氏ら研究チームは、「宇宙では揚げ物を作ることができないかもしれない」と考えました。
なぜなら、地球上では食材から出た水蒸気の泡が浮力によって引き上げられるが、微小重力環境では、水蒸気の泡が食材の表面に付着して、食材全体を蒸気の層で覆ってしまうかもしれないからです。
このように水蒸気が食材から剝がれない場合、水分と油の入れ替わりが起こらず、表面から水分を十分に抜くことができなくなると考えられます。
とはいえ、実際に確かめてみなければ、どうなるか分かりません。
