鶏の唐揚げや天ぷら、トンカツ、フライドポテトなどの揚げ物は、多くの人が愛してやまない料理の1つです。
それは宇宙飛行士にとっても同じです。
ある研究は「なんとかして宇宙で揚げ物を食べられないものか」と奮闘する研究者たちによって行われました。
ギリシャのアリストテレス大学(Aristotle University of Thessaloniki)に所属するソドリス・カラパンシオスは、欧州宇宙機関(ESA)と共に、微小重力でも揚げ物を作ることができるのか実験しました。
研究の詳細は、2022年12月24日付の学術誌『Food Research International』に掲載されました。
目次
- 揚げ物が「揚がる」ための条件
- 宇宙でも揚げ物が食べられると判明!
揚げ物が「揚がる」ための条件

揚げ物の魅力は、カラッと揚がった表面とジューシーな中身にあります。
唐揚げや天ぷら、トンカツなどは水で溶いた小麦粉、片栗粉やパン粉などをまとわせて揚げる料理ですが、サクサクとした衣と中から溢れる肉汁が魅力的です。
またフライドポテトなどは、素材そのものを揚げる「素揚げ」に該当しますが、カリっとした外側とホクホクした中身を楽しめます。
では油で揚げると、どうしてこのような「揚げ物」と呼ばれる料理ができあがるのでしょうか?
食材が「揚げ物」になるためのポイントは、「水分を抜く」ことにあります。
熱した油に食材を放り込んで加熱し続けると、食材の表面の水分が抜けていき、そこに油が入り込みます。
つまり食材を揚げている間、食材に含まれた水分と油が入れ替わっていくのです。
この時、食材(もしくは衣)から抜け出た水分は熱により気化しており、「水蒸気」となっています。
揚げ物をしているときに、音を立てて出てくる泡こそが、食材や衣から抜け出た水蒸気なのです。