現在の若者たちにとっては、もはや「独り身」でいる方が幸せなのかもしれません。
独ヨハネス・グーテンベルク大学マインツ校(JGUM)の研究によると、現在14〜20歳前後の若者は一昔前の同年齢の若者たちに比べて、交際や結婚を含め、独りでいることの割合や満足度が高いという。
急速に変化する社会の中で、独身に対する若者の印象も大きく変わっているようです。
これは昨今の若者の孤独死の上昇と関連するかもしれません。
研究の詳細は2024年6月10日付で心理学雑誌『Personality and Social Psychology Bulletin』に掲載されています。
目次
- 現代の若者は「独身」に満足しているのか?
- 性別や年齢によって「独身の満足度」も変わる?
現代の若者は「独身」に満足しているのか?

今回の研究を始めるきっかけは、結婚率の低下、離婚率の上昇、単身世帯の増加といった現代社会の顕著な変化にありました。
これは世界的に見られる傾向であり、現代の若者たちが以前の世代よりも「独り身でいることへの満足度が高くなっている」可能性を提起しています。
研究主任のティタ・ゴンザレス・アビレス(Tita Gonzalez Avilés)氏はこう話します。
「両親や祖父母の世代に比べて、現代人は結婚の頻度が低く、離婚率が高くなっています。それに伴って、未婚や同棲、長期独身といった多様な関係が受け入れられるようになりました。
独身は今や社会的にごく普通のように見えますが、その一方で、実際に独身者が今の生活状況に満足しているかどうかは明らかになっていません」
そこでアビレス氏らは今回、独身でいることの満足度が年代ごとにどう変化しているかを調査しました。
ドイツ在住の2900名以上を対象に調査
本調査ではドイツ在住の一般男女2936名(14〜40歳)を対象としました。