学習能力や、知識獲得の効率に遺伝子が大きく影響する可能性は十分にありそうです。

この結果を聞くと「結局は遺伝子なのか」と思うかもしれませんが、この結果は育った環境要因が人生後半の知能に対して必ずしも決定要因ではない可能性も示唆しています。

親ガチャという言葉が一時期流行っていましたが、この言葉は主に育てられた環境、家庭の経済状況に対して使われていました。

しかし、知能面で見た場合に、育った環境の影響が時間経過とともに減少するのであれば、結局は本人の努力の影響が大きいと考えることができるかもしれません。

例え経済状況は悪くても、親の遺伝子は良いかもしれません。また遺伝子の影響を超える努力があれば、育った環境要因は抑え込めるとも言えるのです。

地頭がいいと言われるようなタイプは、やはり遺伝子が影響しているのかもしれませんが、私たちの人生を決めるのは結局本人の努力次第であり、それが結果を大きく変えることになるのでしょう。

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参考文献

Groundbreaking study reveals the impact of genetics on IQ scores over time
https://www.psypost.org/groundbreaking-study-reveals-the-impact-of-genetics-on-iq-scores-over-time/

元論文

Developmental trends in intelligence revisited with novel kinships: Monozygotic twins reared apart v. same-age unrelated siblings reared together
https://doi.org/10.1016/j.paid.2024.112751

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。