(労働市場にポジティブ)
・平均時給の伸び、市場予想を下回る ・民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)、前年比と前月比は再加速 ・週当たり労働時間は改善(ただし、企業の採用抑制を労働時間でカバーしている可能性)
(労働市場にネガティブ/ニュートラル)
・NFPが10万人割れを維持 ・NFP、過去2カ月分は大幅下方修正 ・失業率が上昇 ・労働参加率は2022年11月以来の低水準 ・就業率は2021年12月以来の低水準 ・失業者のうちレイオフと新規の労働市場参入者が押し上げ ・フルタイムと複数の職を持つ者が減少 ・不完全雇用率が上昇 ・完全解雇者の労働力人口の割合が2021年11月以来の高水準近く(労働力人口の減少に伴う) ・長期失業者の割合が上昇
以下は、今回の雇用統計の詳細。
〇非農業部門就労者数
米7月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比7.3万人増となり、市場予想の11万人増を上回った。前月は14.7万人増→1.4万人増に大きく下方修正され、過去分を含め極めて弱い結果となった。
NFPの内訳をみると、民間就労者数は前月比8.3万人増と市場予想の10万人増を下回った。24年11月以降の増加トレンドで最小の伸びだった前月の3.0万人増(7.4万人増から下方修正)は上回ったが、6月の下方修正があまりにも大きい。民間サービス業は9.6万人増と、前月の1.6万人増(6.8万人増から下方修正)を上回った。
チャート:NFPと失業率

(出所:Street Insights)
チャート:民間就労者数、7月は改善も6月は24年11月以降の増加トレンドで最小

(出所:Street Insights)
5月の13.3万人の下方修正(14.7万人増→1.4万人増)と合わせ、過去2カ月分で25.8万人と、驚愕の下方修正となった。これで、2023年以降では、30回のうち22回目の下方修正となった。しかも、バイデン前政権下の2023-24年は平均下方修正幅が2.5万人に対し、トランプ政権では7.7万人と下方修正幅が拡大した。