それで私が図1「高齢者の位置づけ」を作成して、全員で共有することにした。分かりやすくいえば、「高齢者-前期(後期も含む)-健常者(健康、半健康)-大都市、中都市、小都市、町村)」という軸と「後期-要介護者-大都市、中都市、小都市、町村)」で、それぞれの問題意識と講義内容にふさわしい出演者や出演団体を探してほしいと4人にお願いしたのである。

図1 高齢者の位置づけ

第1回の打ち合わせ

その後、「高齢者の生活保障」の数回分として講義する内容のレジュメを各人に書いてもらい、最終的に私が6番組、片桐氏が3番組、松宮、青山、園井の各氏は2番組を受け持つことになった。

2009年の8月に5人全員1泊2日で放送大学に集まり、社会福祉学系教授の立ち合いの下、番組制作関係者であるディレクター、プロデューサー、カメラマンと15回分の具体的な打ち合わせを行い、各人の都合に合わせて取材旅行の日程調整を行った。

2泊3日の撮影旅行

それぞれ受け持った番組内容の骨子をプロデューサーに渡して、この取材はたとえば12月20日~22日をお願いしたいと思っても、取材先の都合もあり日程調整に苦労した。さらに先方に映像出演を認めていただき、どのような内容でいくかを事前に相談することが大変であった。

口からの健康づくり活動

私の場合、たとえば「口からの健康づくり活動」を取り上げたのだが、たまたま1年前に講演会でお邪魔した福岡県宗像市の「むなかた介護サービス研究会」代表の大林歯科医院に連絡して、取材撮影を了解していただくとともに、番組の中で若干の発言とコメントをお願いすることになった。このような下準備に時間をとられ、予想外に大変だったという思いが強く残っている。

撮影現場

札幌市から宗像市に出かける場合は、放送大学所属のディレクターとカメラマンと3人で宗像市のホテルに前泊して、翌日朝から歯科医院の診察室、午後からの訪問診察の様子を撮影した。一番重要な論点、すなわち「歯と口腔」が高齢者にとって身体の健康にとっていかに重要であるかを、撮影の終盤で大林医師に話していただくという流れにした。