以上をまとめると、今回の大塚製薬のスポーツドリンク配布は子供たちの健康づくりという観点でメリットよりもデメリットが大きい。

しかしこういった「健康に悪い健康マーケティング」が自治体で歓迎されてしまうのは、ひとえに私たち医師・歯科医師の啓発不足が原因ともいえる。

児童の健康に寄与したいという思いが同じであれば、急性の糖尿病様症状やむし歯などのリスクを踏まえた、より適切なスポーツドリングやイオン飲料との付き合い方をメーカーも一緒に周知してほしいし、歯科医師としてはキシリトール製の塩分タブレットもぜひ開発普及してもらいたい。

【参考文献】

高松市の小中学校に熱中症対策用のゼリーを大塚製薬が寄贈 体育の授業や部活動などの時に活用を – 山陽放送 熱中症対策には「水分補給、食事、運動」 自治体と大塚製薬が小学校で「熱中症の特別授業」 – 愛知のニュース 「気持ち悪いと訴える子どもが少なくない」バスケ教室にも欠かせない熱中症対策 大塚製薬がBリーグで啓発活動 – 食品新聞 Guideline: sugars intake for adults and children – WHO FDI’s General Assembly approves a new Position on Free Sugars – FDI World Dental Federation イオン飲料水などの多飲によるビタミンB1欠乏症 – ビタミン イオン飲料とむし歯に関する考え方 – 日本小児歯科学会