ゲームには2つの惑星(R1とR2)が登場します。
最初の段階では、どちらの惑星をクリックしても50%の確率で報酬(+100ポイント)が得られる構造になっています。

しかし中盤以降、片方の惑星(R1)には“罰”が仕込まれており、クリックするとランダムに海賊船が現れてポイントが大きく減少します。
もう片方の惑星(R2)は安全で、罰を引き起こしません。
プレイヤーは罰が起きるメカニズムを自分で推測し、どの惑星を避けるべきかを学習していきます。
そしてゲーム終盤では、研究者から「どちらの惑星が罰を引き起こしているのか」が明示され、行動の変化が見られるかどうかもチェックされます。
さらに研究チームは、ゲーム中の行動だけでなく、参加者の「認知の柔軟性」「習慣的傾向」「アルコール使用傾向」といった心理特性も調べました。
また6か月後には再テストも行い、行動パターンが一時的なものか、それとも持続的な性質なのかを追跡しています。
では、こうした検証の結果、人々のどんな傾向が明らかになったのでしょうか。
私たちの中には「失敗や罰から学べない人」が一定数いる
研究の結果、人々の罰への反応が明確に3つのタイプに分類できました。

1つ目は「Sensitive(敏感型)」。
このタイプの人々は、罰を受けるとすぐにその原因を突き止め、行動を修正します。
彼らは明示的な説明がなくても、経験だけから正しい因果関係を見抜くことができます。
2つ目は「Unaware(無自覚型)」。
このグループの人たちは、罰を受けても最初はその原因がわからず、間違った行動を続けてしまいます。