ブロッコリーは、私たちにとって身近な野菜であり、栄養価の高さから「スーパーフード」と呼ばれます。
しかし、ブロッコリーはどういった点でそれほど健康に優れているのでしょうか?
ペンシルベニア州立大学(The Pennsylvania State University)に所属するゲイリー・H・パデュー氏ら研究チームは、マウスを用いた実験によって、ブロッコリーには小腸の粘膜を保護して病気の発症を抑制する特定の分子が含まれていると報告しています。
この発見は、ブロッコリーが本当にスーパーフードであることを支持するものとなります。
研究の詳細は、2023年1月11日付の科学誌『Laboratory Investigation』に掲載されました。
目次
- 根拠のない「スーパーフード」たち
- ブロッコリーに含まれる特定の分子が小腸の働きを向上・正常化する
根拠のない「スーパーフード」たち

私たちが「健康的な食事」と呼んでいるものの中には、頻繁にブロッコリーが登場します。
また体づくりを専門にしているトレーニーたちにも、鶏むね肉と並んでブロッコリーは人気の食品です。
こうした背景には、「ブロッコリーはスーパーフードである」という考えがあります。
確かにブロッコリーは栄養価の高い緑黄色野菜であり、ビタミンBやビタミンC、ビタミンK、β-カロテン、鉄分、食物繊維などを豊富に含んでいます。

ただし、「スーパーフード」という言葉には注意が必要です。
なぜなら、これは栄養学の学術用語ではなく、それを名乗るために明確な基準があるわけでもないからです。
スーパーフードという言葉が、科学的な根拠もなく独り歩きすることも少なくありません。
そのためEUでは2000年代後半から、消費者に誤解を与える可能性を憂慮してスーパーフードという言葉を商品に記載することを規制している国も出てきました。