日本で行われてきた波力発電の検証試験の一覧は表1に示す。
表1.日本の波力発電検証試験実績
実証場所・プロジェクト名 実施時期 規模 主要成果と断念内容
鶴岡 三瀬 1982年 40 kW 出力少・高コスト短期間で終了
JAMSTEC「海明」離島向け 1985~86年 1,000 kW級 コスト推定47円/kWh継続困難
三井造船・神津島実証試験 2017年 3 kW級 平均600W程度 小規模止まり
平塚波力発電所 2020〜21年 45 kW級 効率50%達成も、小規模止まり
本来であれば、「再生可能エネルギー」=「クリーンなエネルギー」=「お金がかかっても開発を推進すべき」=「それに反対する者は利己的で環境意識の低い悪者だ」というロジックには、冷静な検証が必要だった。
しかし現実はその逆である。このロジックが、非効率で高コストな技術を温存し、利権構造を再生産する温床になっている――そのことに、私たちは早く気づかねばならない。