ところが、スキル資格を取ってしまうと、スキル資格の悪しき専業理想主義によって、スキル資格の業務範囲だけでなんとかしようとしてしまいます。
数字でたとえてみましょう。あなたが持っているスキル能力値を100とすれば、スキル資格が与えてくれる仕事の幅はせいぜい5くらいです。行政書士の資格を取ったとしたら、あなたが100、そして行政書士の資格を取ることができたので、105になります。本来はこういう形なのです。
ところが、スキル資格の悪しき専業理想主義があることによって、この「5」のみで勝負しようとしてしまうのですが、いままでやってきたことを無駄にしたくはないですよね?しかし、スキル資格を取ったほとんどの人が、こうした罠に陥っています。これがひとつめの失敗パターンです。「過去キャリア・リセットパターン」とでも呼んでおきましょう。
せっかくこれまでやってきたあなたのキャリアや経験をゼロにしてしまうのは、本当にもったいない。それに、フリーランスで動くときにはこの過去のキャリアが重要になってきますので、リセットしないように気をつけてください。
目的を忘れて失敗するパターン
2つめの失敗パターン。これに名前をつけるなら「目的忘却パターン」です。これも同じくスキル資格の悪しき専業理想主義からきているのですが、最初の目的を失ってしまう人がとても多いのです。
たとえば、実際にある例をあげましょう。法律を扱う行政書士の資格にあこがれて、その仕事で独立起業し、収入を上げ、家族を幸せにしたいと思い、行動を起こします。
まずは試験。無事合格したあとに、いよいよ開業します。
現在、開業して成功している人の中には、スキル資格の専業理想主義を貫いている人が少なくありません。そうすると、つい上手くいっている人の真似をしたくなるものですから、自分も成功するために行政書士の枠内でなんとかしようと実践し、そのうちそれ以外をやるのは邪道だと思い込む。