岩谷さんも左村さんも、怪我による困難を乗り越えてきました。

火傷による感染症のリスクで命の危険すらあった岩谷さん。

足首の大怪我で松葉杖生活を送り、食堂でカップ麺しか食べられなかった左村さん。

サーキットでの怪我は当然、日常にも影響を及ぼします。

8耐出場までに長年苦戦した大須賀さんは、スランプに苦しんだと語ります。
「頑張っても速くならない」という恐怖心に悩まされながらも、スクールに通い、セッティングを見直し、ひたすら練習を重ねました。

「自信を持つって、こんなに難しいんだ」と思いながらも、前を向き続けたのです。
やがて、少しずつできることが増えてくると、数字に表れる成長が、彼に「やれるかもしれない」という実感を与えてくれました。

そして8耐ライダーとして今では、「やるしかない」とアクセルを開ける気持ちで走っています

そんな大須賀さんが伝えたいのは、「やりたいと思ったことを、やれる範囲で続けていくこと」の大切さです。

すべてを完璧にやろうとしなくていい。

目的がブレてもいい。

でも、「好き」という気持ちだけは、見失わずにいること――そう語ります。

「8耐ライダーというアイデンティティが、自分の自信や自己肯定感につながっているんです」

その言葉の裏には、何度も立ち上がってきた経験があります。