このチームには、スポンサーの大きな支援も、専属のプロスタッフもいません。
それでも、20人近い仲間が集まり、ピット作業、整備、生活補佐までを分担して支え合っています。
「同窓会みたいな感覚で、年に一度集まってワイワイやってるんです」
そう語る岩谷さんの言葉には、プロとは違う温かさがあります。
岩谷さんは高校時代から8耐に憧れ、バイトから自営業へと転身しながら夢を追い続けてきました。
「自営業なので、時間があるときはお金がありません」と笑いますが、その裏には周囲の協力があってこそ成り立つ現実があります。
「8耐は“みんなの8耐”だからね」
そう語る左村さんの言葉に、このチームのあり方が集約されています。
クルマ
2025/07/25
【個人が集まり、世界に挑む】鈴鹿8耐に挑む“普通の人たち”のチームの挑戦

日常と非日常のはざまで
3人はそれぞれ、仕事を持ちながらレースに挑んでいます。
岩谷さんは自営業。時間の自由はあるものの、資金面では綱渡りだった時期もありました。
「家族の理解と支えあってこそのレース活動です」と語り、8耐では家族全員がチームの一員として活躍しています。

左村さんは製造業の技能職。仕事は同僚たちとの助け合いだと言います。
「“今年も出るのー?”と聞かれたり、理解はあります。レース都合で休む分、振られた仕事は断らず、全力で働いています」
大須賀さんはSE。
「レースのために休むのに、休むために残業して寝不足になることもあります」と苦笑いします。
「どうしても何かは妥協しなくてはいけない」と語りながらも、走ることをやめる気配はありません。
時間も、資金も、体力も限られています。
それでも、走ることをやめない3人。口をそろえて「レース活動がライフワーク化していて、レースに参戦しない生活が想像できない」と言い、辞めることは端から選択肢にないようです。
「バイクに乗っていない自分が想像できない」と左村さんは言います。
好きを追求する強い意志で、3人は挑戦を続けます。
怪我、スランプ、資金難――それでも前へ
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