20日発売の『Wedge』8月号から、巻頭コラムの連載を担当させていただいています。ずばり、タイトルは「あの熱狂の果てに」。

今日に至る、さまざまな歴史上の熱狂をふり返り、「……しかし、いま思うとあれは何だったの?」を省察するのがコンセプト。毎回、写真家の佐々木康さんによる撮りおろしの扉もつきます。

依頼をいただいた際、私が最初に思いついた連載名は「うおおおお!なヒトビト」という身もふたもないモノだったのですが(汗)、編集部のご提案で、詩情溢れるタイトルになり感謝です。

前号でも「沖縄特集」の一環として、前フリ的に「憲法9条という熱狂」を採り上げましたが、独立したコラムとしてスタートする今回、採り上げるのは太平洋戦争。それでも、日本人は選びましたからね(笑)。

作家の小林信彦さんの回想『一少年の観た〈聖戦〉』を素材に、当時と現在を往復しながら、人が戦争に熱狂するとは、どんな状態かを掘り下げています。映画少年だった小林は真珠湾攻撃のとき8歳、東南アジアの密林を往く日本軍の進撃を、大好きなターザン映画になぞらえていました。