これを繰り返すことで、ウマは10秒後にエサにありつけることを学習し、この10秒間に「期待」の感情が高まると考えられます。
その後チームは、2つの実験を行いました。
1つ目は「イライラ」を調べる実験で、10秒経っても透明パネルが取り除かれませんでした。

そのためウマは、餌が見えているにも関わらず食べることができず、イライラを募らせると考えられます。
2つ目は「失望」を調べる実験で、透明な蓋は取り除かれるものの、代わりに餌の上に別の不透明な蓋をして、ウマが餌箱を覗き込むと中身が空のような状態にしてしまいます。

エサにありつけると期待していたウマは、いざ食べようとすると餌が無いため、期待が裏切られ、失望すると考えられます。
そして研究チームは、これらの実験中にウマの表情をビデオカメラで記録し、ウマの行動と顔面の筋肉の収縮を発見するシステムで分析しました。
その結果、ウマの「イライラ」と「失望」では、表情が大きく異なると判明しました。
イライラ状態のウマは、白目を多く見せ、耳を回転させたり、頭を左に向けたりする傾向がありました。
また「給餌器を噛む」という行動も見られました。
