人間同士であれば、目や口のわずかな動きから、その人が今どんな気持ちなのかを推察することができます。
しかし動物が相手であれば、表情の変化が分かったとしても、それがどのような心理状態を表すのか理解するのは難しいでしょう。
それは、表情が豊かなイメージの「ウマ」でさえ同様です。
ニュージーランドのリンカーン大学(Lincoln University)生命科学部に所属するクレア・リッチ・ボノット氏ら研究チームは、ウマが失望したりイライラしたりする時の独特の表情を見分けることに成功しました。
この結果は、騎手や調教師がウマの精神的健康を管理するのに役立つでしょう。
研究の詳細は、2023年6月2日付の科学誌『Applied Animal Behaviour Science』に掲載されました。
目次
- 馬の表情から心理状態を正しく理解するのは難しい
- ウマの「イライラ」や「失望」と関連する独特のサインを発見
馬の表情から心理状態を正しく理解するのは難しい
「ウマの表情」といえば、競走馬「ゴールドシップ」の変顔を思い出す人も少なくないかもしれません。
シップ変顔コレクション( ^ω^ )
本当はかわいい顔しているんです。
#ゴールドシップ #ビッグレッドファーム pic.twitter.com/EdqKZ5OGzo— てつ@Nikon D7500 (@Goldship_001) April 30, 2021
普段はスマートで美しい顔ですが、時折見せる表情の変化の大きさに驚かされます。
白目になったり、顎を歪ませて舌を出したりする様子を見て、思わず笑ってしまう人も多かったはず。
こうした変顔の強烈なイメージから、「ウマの気持ちは理解しやすい」と、なんとなく考えてしまうかもしれません。
しかし実際はそうではないようです。
研究者であるリッチ・ボノット氏は、「ウマの身体的健康の状態を評価するのは簡単です。しかし、精神的健康を評価するのはより困難です」と述べています。